ピンをしっかり奥まで差し込んでいるにもかかわらず、トレイがビクともしない、あるいは数ミリ浮き上がった状態で引っかかり動かなくなるトラブルは珍しくありません。この「SIMトレイが出てこない対処法」において、最もやってはいけない行動がラジオペンチやピンセットで力任せに引っ張る暴挙です。
トレイが途中でスタックする主たる要因は、トレイ内部でSIMカードがわずかに浮き上がり、端末内部の接触端子(スプリング状の金属ピン)に引っかかっている現象です。この状態で外側から力任せにトレイを引き抜くと、内部の端子ピンが根こそぎ引きちぎられ、SIMカードの読み取り機能が物理的に全壊します。基板交換が必要になれば、修理見積もりは4万円〜7万円近くに跳ね上がります。
もしトレイが途中で引っかかった場合は、端末を軽く机の上でトントンと振動させ、カードの浮きを抑え込むようにしながら、再度トレイを数ミリ押し戻してみてください。一度元の位置へ戻し、重力に従ってカードがトレイの枠内に正しく落ちるよう、画面を上向き、あるいは下向きに傾けながら再度ゆっくりとイジェクトを試みます。
それでも改善しない場合、あるいはピンを強く押してもスプリングの反発が全く感じられない場合は、内部のイジェクトアームが歪んでいるか、防水パッキンの経年劣化による固着が疑われます。この段階に達した時点でセルフメンテナンスの限界と判断し、キャリアショップでの取り出し対応を仰ぐのが賢明な防衛策です。ドコモ、au、ソフトバンクなどの主要キャリアショップやApple Storeでは、専用の特殊治具を用いたトラブル対応を受け付けています。