なぜ日本で一夫多妻は禁止なのか?海外の合法事情と事実婚のリアル

なぜ日本で一夫多妻は禁止なのか?海外の合法事情と事実婚のリアル

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法律上は禁止されている日本において、実際にはどのような形で「一夫多妻的」な生活が営まれているのでしょうか。メディアで最も大きな注目を集めた象徴的な事例が、北海道札幌市で複数の女性と共同生活を送る渡部竜太氏のケースです。

渡部氏は「第1夫人」「第2夫人」などと呼ばれる複数のパートナーたちと同居し、多数の子どもたちを育てる様子をテレビの密着取材やSNS、自著などで発信し続けてきました。彼自身の現在に至る活動状況を追跡取材すると、法的な抜け穴ではなく、現行民法の枠組みを緻密に使い分けた形態であることが分かります。

具体的な戸籍上の運用として、日本国内で刑法の重婚罪に抵触しないためには、複数の女性と同時に婚姻届を受理させてはなりません。そのため当事者たちは、以下のようなステップを踏んでいます。

  1. 特定の女性と入籍した後、一定期間を経てペーパー離婚を行い、別の女性と再入籍を繰り返すことで全員に同じ名字を名乗らせる。
  2. あるいは、全員と法律婚を結ばず「事実婚」の形をとり、生まれた子どもについて男性が任意認知の手続きを行う。

認知された子どもは民法上、父親の第一順位の法定相続人となり、嫡出子と同等の権利(平成25年の最高裁大法廷決定による民法改正以降、非嫡出子の相続分は嫡出子と同等)を有します。しかし、法律婚を結んでいないパートナー自身には配偶者としての法定相続権や税法上の配偶者控除、遺族年金の受給権が認められません。

外部から最も関心が寄せられるのが、生活費と家計の仕組みです。渡部氏のケースでは、自身が主導して事業を展開する一方、パートナー女性たちも個々に仕事を持って収入を得ており、世帯全体の収入を合算して月額数十万円に及ぶ食費や住居費、子どもの教育費を一括管理するシステムが取られていました。メディアで語られた「女性側の稼ぎによって生活が成り立っている」という側面は、旧来の男性依存型モデルではなく、複数人が経済力を持ち寄るルームシェア型の共同体に近い性質を帯びています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。