多発性嚢胞腎(ADPKD)は、片親がこの病気である場合、多発性嚢胞腎 遺伝 確率は男女を問わず50%(2分の1)という高い確率で子に受け継がれます。常染色体顕性(優性)遺伝という遺伝形式をとるためです。
しかし、一宮市立市民病院の診療データや各地域の基幹病院からの報告によると、見落としてはならない事実があります。それが「孤発性」と呼ばれる発症形式です。患者全体の約10%前後は、両親や家系にまったく多発性嚢胞腎の罹患者が存在しないにもかかわらず、本人の受精卵の段階でPKD1またはPKD2遺伝子に突然変異が生じて発症します。「家族に透析患者がいないから自分は嚢胞腎ではない」という判断は、医学的に誤りです。
また、本症を管理する上で生命予後を直結して左右するのが多発性嚢胞腎 食事療法 ガイドラインの遵守です。一般的な慢性腎臓病(CKD)では過剰なタンパク質制限やカリウム制限が強調されますが、ADPKDの保存期においては以下の優先順位が徹底されます。
第1に「十分な飲水」です。体内の水分が不足すると、脳下垂体から抗利尿ホルモンであるバソプレシンが分泌され、これが嚢胞上皮細胞の受容体に結合して嚢胞増大を強力に刺激してしまいます。サムスカを服用していない保存期であっても、尿の色が常に透明に近い状態を保つよう、意識的な水分補給が推奨されます。
第2に「1日6g未満の減塩」です。塩分の過剰摂取は腎血流量を低下させ、腎内レニン・アンジオテンシン系を賦活化させて高血圧と嚢胞増大を加速度的に悪化させます。無理な断食や極端な民間療法に走るのではなく、ガイドラインが提示する減塩と水分補給、そしてACE阻害薬やARBを中心とした厳格な降圧治療こそが、現在証明されている最善の防壁です。