高校卒業後、吉田羊はさらなる学びを求めて上京し、桜美林大学へと進学する。同大学の文芸学科(当時)などで学びながら、自由な風土のもとで自身の視野を広げていった。
しかし、大学生活の後半に彼女の人生を大きく揺るがす出来事が訪れる。就職活動の時期を迎え、同世代の学生たちがスーツに身を包んで企業面接へと足を運ぶなか、彼女はどうにも「会社員として働く自分の姿」を思い描くことができなかったという。
そんな模索の日々のなか、ふと目にした情報誌の劇団員募集。これが、日本芸能史に残る名女優誕生の引き金となった。面接を受け、初めて舞台に立った瞬間、胸を衝いたのは「これこそが自分の生きる場所だ」という強烈な直感だった。