結論から言えば、最初の1杯を美味しく淹れるために専門の茶器セットを買い揃える必要はまったくありません。中国茶が日本茶や紅茶と大きく異なるのは、「少量の茶葉に対して高温のお湯を注ぎ、短時間でさっと出し切る」という点です。日本の家庭にある一般的な横手急須や、茶こし付きのマグカップでも、基本原理さえ守れば専門店と遜色ない味わいを引き出せます。
家庭にある急須を活用する中国茶の淹れ方(急須代用)で最も重要なのは、「お湯を最後の一滴まで注ぎ切ること」です。茶葉をお湯に浸したまま放置すると、苦渋味成分であるカテキンが無駄に溶け出し、2煎目以降の風味が完全に損なわれてしまいます。注ぎ口の水切れが良い急須を選び、しっかりと傾けて最後のお湯を落とし切るだけで、雑味のない透明感のある味わいに仕上がります。
さらにオフィスや書斎で楽しむなら、マグカップでの中国茶の淹れ方が実用的です。茶こし付きの耐熱マグ、あるいは蓋付きのマグカップを用意し、茶葉3gに対して熱湯150mlを注ぎます。蓋をして指定の時間蒸らしたら、茶こしを引き上げて別の受け皿に避けておくだけです。この「お湯と茶葉を完全にセパレートする」という一点を厳守するだけで、専用茶器がなくても驚くほどクリアで芳醇な香気を堪能できます。