食品に表示される日付には、品質が保たれる目安を示す「賞味期限」と、安全に食べられる期限を示す「消費期限」の2種類が存在します。納豆に表示されているのは、おいしく食べられる期間を保証する「賞味期限」です。製造から約10日〜2週間の設定が一般的ですが、この日付を過ぎた瞬間に有毒化するわけではありません。
食品の検査基準では、理化学試験や微生物試験で得られた限界日数に0.7〜0.8の安全係数を掛けて賞味期限を算出しています。理論上は「表示期限 ÷ 安全係数」の日数まで安全域が存在するため、賞味期限が10日間の納豆であれば、未開封かつ適切なチルド保存を前提として賞味期限切れから2日〜5日程度、最大でも1週間前後であれば、品質の低下を許容できる範囲に収まるケースがほとんどです。
しかし、経過日数によって納豆の内部では劇的な変化が起きています。日数別の実態は以下の通りです。
- 賞味期限切れ「1日〜3日」:外見や香り、粘り気にはほとんど変化がありません。味の劣化もわずかで、日常の食事として問題なく消費できます。
- 賞味期限切れ「1週間(7日)」:発酵が過剰に進み、大豆の水分が徐々に蒸発していきます。表面が乾燥して硬くなり、豆の旨味成分であるアミノ酸が結晶化してジャリジャリとした食感が出始めます。匂いも通常の納豆臭から、わずかにツンとする刺激臭へと移行します。
- 賞味期限切れ「10日〜2週間」:過発酵が深刻化し、鼻を刺すようなアンモニア臭が強まります。糸引きが弱くなって粘り気がサラサラとした液体に変化し、豆自体が茶褐色から黒ずんだ色に変色。苦味や雑味が前面に出て、美味しく味わえる限界を完全に超えています。
- 賞味期限切れ「1ヶ月」:未開封であっても冷蔵庫内の冷気乾燥やわずかな温度変化により、雑菌の繁殖や腐敗が進行している危険性が極めて高くなります。水分が抜けてカチカチに干からびるか、逆にドロドロに溶けた状態になり、健康被害のリスクを避けるためにも絶対に口にしてはいけません。