原作は19世紀後半にスイスの作家ヨハンナ・シュピリが執筆した児童文学です。キリスト教的な道徳観や宗教的救済が強く押し出されていた原作に対し、高畑勲らはよりユニバーサルな「人間と自然の調和」「子どもの感性の解放」へと物語を翻案しました。
この試みの成功は、その後のアニメ界に計り知れない影響を与えました。本作の情熱と手法は、後にフジテレビ系で放送され社会現象となった「世界名作劇場」枠へとダイレクトに引き継がれていきます。『フランダースの犬』や『母を訪ねて三千里』『赤毛のアン』など、名作文学を丁寧な日常描写でアニメ化するフォーマットは、まさにハイジの成功によって切り拓かれたものでした。