ネット上の荒れ模様を目の当たりにした後で甲子園球場に足を運ぶと、そこには全く異なる空気感が広がっていることに気付かされます。スタンドでメガホンを打ち鳴らし、六甲おろしを熱唱するファンたちの姿と、スマートフォンの画面越しに見える冷笑的な書き込みとの間には、無視できない心理的乖離が存在します。
甲子園現地ファンの口コミ評判を直接集めると、「たとえ凡退しても全力疾走を怠らない若手には温かい拍手を送りたい」「エラーをした選手が一番悔しいはずだから、次の打席で取り返してくれればいい」といった、選手個人への情愛と寛容さに満ちた声が多く聞かれます。そこには、同じ空間でリアルタイムの体験を共有する共感のメカニズムが働いています。
これに対し、阪神タイガースファンの本音がテキストとして表出する掲示板では、物理的な顔が見えない匿名性と、結果のみを切り取って評価する減点主義が支配的になりがちです。球場で響く拍手と、ネット上で叩きつけられる辛辣な打鍵音。この温度差を理解せずにネットの論調だけを追うと、「チームがファンから見捨てられかけている」かのような錯覚に陥る危険性があります。現地スタンドの空気感こそが、球団を支える精神的な基盤であることを忘れてはなりません。