人工妊娠中絶を検討するにあたり、最初に突きつけられるのが「週数による処置内容と費用の激変」です。中絶手術を行えるのは、法律で定められた母体保護法指定医のいる医療機関に限られており、自由診療であるため施設ごとに価格設定が異なります。
妊娠11週6日までの処置にあたる初期中絶の費用相場は、一般的に約10万〜15万円前後です。手術自体は日帰りまたは1泊程度で完了し、身体への負担も中期に比べて抑えられます。なお、国内で導入されている経口中絶薬(メフィーゴパック等)を選択する場合でも、処方前の厳密な検査や服薬後の入院管理・経過観察が義務付けられているため、トータル費用は外科的手術とほぼ同水準になるケースが一般的です。
一方で、妊娠12週0日〜21週6日に至る中期中絶で費用が払えない事態に陥ると、状況の深刻度は一気に跳ね上がります。中期中絶では人工的に陣痛を起こして分娩させる処置が必要となり、数日間の入院を伴うため、費用相場は30万〜50万円以上へと急増します。さらに、法的に死産届の提出や火葬の手配が義務付けられ、それらの諸経費も上乗せされます。
指定医の臨床現場からは「手持ちの資金がないからと受診をためらい、気づいた時には初期の適応期間を過ぎて中期になってしまっていた」という証言が後を絶ちません。妊娠22週(21週6日の翌日)を1日でも過ぎれば、いかなる理由があっても中絶は法律上不可能になります。費用の工面と並行して、まずは現在の正確な週数を医療機関で確定させることが最優先事項です。