旅の満足度を左右する夕食のテーブルでも、嬉しい驚きが待っている。大型リゾートのバイキングといえば大衆的なメニューを想像しがちだが、その先入観は最初のひと皿で小気味よく裏切られることになる。
主役は、ホテルの目と鼻の先にある勝浦漁港から直接届く海の幸だ。黒潮の荒波に揉まれた初夏から秋の名物カツオは、角がピンと立ち、口に含むと赤身特有の澄んだコクが広がる。脂の乗った金目鯛の煮付けや、オープンキッチンで職人が香ばしく焼き上げるサザエ・ホタテの浜焼き。立ち上る磯の香りと醤油の焦げる匂いが食欲を強く刺激する。地元の採れたて野菜や郷土料理を網羅した構成は、房総の豊かな風土を五感で巡る食のエンターテインメントそのものだ。