山田先生を語る上で絶対に外せないのが、変装姿である「伝子(でんこ)さん」の存在だ。厳格な忍者が女装し、甲高い声で立ち回るシュールなギャップは、作品屈指の名物シーンとして知られている。
アフレコ現場からの証言によると、大塚周夫氏は「伝子さんを演じるときが一番体力を使う」と笑いながら語っていたという。その精神は明夫氏にも引き継がれており、ダンディーな低音ボイスで知られる明夫氏が、父親譲りのノリノリな裏声で伝子さんを演じる姿は、スタジオ内を毎回爆笑と感心で包み込んでいる。厳しい忍者としての声と、伝子さんのコミカルな声の切り替えに隠されたプロフェッショナリズムは、未公開の制作エピソードとしても語り草だ。