では、具体的にどのような費用が請求対象となるのだろうか。最も大きな割合を占めるのが「振替輸送費」だ。他社線への乗り換えを依頼した際、その運賃はすべて事故の原因となった側が負担する仕組みになっている。これに加え、電車の復旧作業にかかった人件費、破損した車両や線路の修理費用、さらには乗客への払い戻し手数料などが加算される。
「たった数十分の遅れ」に見えても、裏では数千人の駅員や技術者が動き、他社のダイヤまで乱れている。目に見えないコストが積み重なることで、最終的な請求書は一般個人の想像をはるかに超える金額になってしまうのだ。これが、当事者家族を絶望に突き落とす一因となっている。