イラスト素材を日常的に活用している教育関係者や広報現場からは、ネット検索の利便性と引き換えに生じる生々しい苦悩の声が寄せられています。都内の認可保育園で主任保育士を務める女性(38歳)は、次のように打ち明けます。
「毎年春に行う遠足のしおり作りでは、幼稚園保育園おたより用素材を探すだけで数時間を費やしていました。可愛らしいフリー素材を見つけても、印刷機にかけると細い線がかすれて消えてしまったり、おかずの影が真っ黒な塊になって子どもから『先生、これ何のお肉?』と聞かれたりした苦い経験があります。それ以来、線の太さが均一で余白がしっかり取られた白黒専用の素材以外は使わないと決めました」(都内主任保育士の手記より)
また、個人経営の惣菜店を営む店主(45歳)からも、商業現場ならではの失敗談が聞かれました。
「日替わり弁当のポスターを作る際、ネットで拾った『無料』と書かれたリアルなイラストを貼って掲示板に出していたところ、後日その素材を作成したイラストレーター本人から問い合わせの連絡が入りました。規約をよく読むと『非商用のみ無料、店舗POPは有償ライセンス必須』と書かれていたのです。悪気はなかったものの、店舗の信用に関わる問題だと痛感し、正規料金と遅延金を支払って解決しました。以来、利用規約を印刷してファイルに保存してから使うようにしています」(飲食店店主の証言)
ソーシャルメディア上のコミュニティでも、「規約改定に気づかず昔ダウンロードした素材を再配布して警告を受けた」「AI生成素材の中に別作品の署名らしきゴミが混ざっていた」といった報告が相次いでいます。手軽に入手できる環境が整ったからこそ、現場には一歩立ち止まる慎重さが求められています。