インターネット上で「トトロ死神説」や「狭山事件モデル説」が過熱したことを受け、スタジオジブリは沈黙を破り公式な見解を発表しています。2007年5月1日、スタジオジブリ公式サイト内の「ジブリ日誌」において、広報担当者は以下のような異例のコメントを掲載しました。
「トトロが死神であったり、メイちゃんが死んでしまっているという事実や設定は一切ありません。最近ネット上でそうした噂が流れているようですが、全くの事実無根です。映画の後半でサツキとメイの影が薄くなっているのは、作画スタッフが影を付ける必要がないと判断して省略しただけの表現上の問題です」
宮崎駿監督自身も、著書『出発点 1979〜1996』や劇場公開当時のインタビューにおいて、『となりのトトロ』は子どもたちが心豊かに生きるための「至福の空間」として構想したと明言しています。病院で療養する母を持つ幼い姉妹が、昭和30年代初頭の美しい里山で目に見えない精霊と出会い、健やかに成長していく物語であり、陰惨な犯罪事件をモチーフにする意図は一切存在しません。
制作現場の一次資料や関係者の証言を丹念に追う限り、作品の根底にあるのは児童文学への深い敬意と郷愁であり、ネット上で囁かれるダークな裏設定は完全に否定されています。