なぜ琵琶湖は、世界中が注目するモンスターバスの聖地となったのでしょうか。海外の研究者や生態系調査員が分析した結果、琵琶湖にはバスが規格外に巨大化するための「3つの決定的要素」が奇跡的に重なり合っていたことが明らかになっています。
第一の理由は、莫大な水量と安定した水温環境です。日本最大の面積を誇る琵琶湖は、南湖の広大なウィードフラットと、北湖の水深100mに迫る深部構造を有しています。冬期でも水温が極端に低下しにくい深場へ退避できるため、越冬時における体力の消耗が抑えられ、通年を通して代謝活動を維持できる期間が長いのです。
第二の理由は、高タンパク・高脂質なベイトフィッシュの存在です。特に琵琶湖固有のアユ(コアユ)、外来種であるブルーギル、ハス、ワカサギなどが過剰なまでに供給され続けてきました。小魚を一口で大量捕食できる環境にあったため、無駄な遊泳エネルギーを消費することなく、急速な体重増加(バルクアップ)が可能となりました。
第三の理由は、フロリダ遺伝子の定着と「キャッチ&リリース文化」による長寿化です。1990年代から2000年代にかけて持ち込まれたフロリダ種が湖内で交雑を繰り返し、巨大化遺伝子がプールされました。さらに、当時のスポーツフィッシングブームによって大型個体が保護・再放流され続けた結果、自然界では到達困難な「10年以上の長寿」を全うするスーパーランカーが生き残れる環境が整ったのです。