「通りかかった普通乗用車に頼んでブースターケーブルを繋いでもらおう」と考えるドライバーが後を絶ちませんが、これは絶対に避けなければなりません。普通車からトラック救援不可の理由は、電気物理の構造的限界と回路保護の両面に明確な根拠があります。
普通車の電装は12V、大型・中型トラックは24Vです。12Vの車両から24Vの車両へケーブルを繋いでも、電圧差によってトラック側のセルモーターを回すトルクは一切発生しません。それどころか、仮に接続が成立した瞬間にトラック側の24Vが普通車の12V系統へ逆流し、普通車のオルタネーターダイオードを破壊、高額な車載コンピューター(ECU)や各種センサー類を瞬時に過電圧で焼き切る結果となります。
過去の24V車ジャンプスタート失敗事例では、乗用車のボンネット内から白煙が噴き出し、修理費用が50万円を超えた事故や、救援に入った側の車両が自走不能に陥る二次災害が報告されています。インターネット掲示板等で「乗用車を2台用意して直列にすれば24Vになる」といった乱暴な裏技が語られるケースもありますが、車体同士のアース短絡や電圧の不均衡による破裂リスクが極めて高いため、プロの整備士やロードサービス隊員が試みることはありません。