高額納税者番付から消えた芸能人|歴代1位の納税額と廃止の真相

高額納税者番付から消えた芸能人|歴代1位の納税額と廃止の真相

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国税庁が所管していた高額納税者公示制度において、芸能人・文化人部門は常に世間の注目の的でした。歴代の記録を振り返ると、日本のエンターテインメント産業の隆盛とメディア構造の変遷が色濃く反映されています。

昭和の大スターとして象徴的な存在が石原裕次郎です。映画全盛期からテレビドラマ全盛期へと移り変わる中、映画製作会社「石原プロモーション」を率いながら、俳優・歌手として莫大な収益を上げ続けました。当時の国税庁公示資料や芸能報道によると、裕次郎は1970年代から1980年代前半にかけて何度も長者番付の俳優部門でトップクラスに名を連ね、納税額だけで数億円規模、推定所得は十数億円に達していました。石原裕次郎は生前の手記や特番インタビューにおいて「金は現場の仲間やスタッフに還元してこそ価値がある」と語っており、莫大な収入を豪快に映画製作やスタッフの待遇改善へ投じる姿は、当時のファンに強烈なスター像を刻み込みました。

平成に入り、メディアの主役が映画から民放テレビの帯番組へとシフトすると、みのもんたが芸能人部門の絶対的王者として君臨します。朝の情報番組から夕方の帯番組、夜のバラエティまで1週間で数十時間もの生放送司会を務め、「1週間で最も多く生番組に出演した司会者」としてギネス記録に認定された時期、その納税額は年間で約4億〜5億円に達しました。逆算される推定年収は10億円を優に超えており、長者番付の常連としてワイドショーの直撃を受けた際も、カメラの前で「税金をごまかさず、きっちり払うのが男の美学」と堂々と答える姿はお茶の間の語り草となりました。

また、クリエイター・音楽プロデューサーの領域で規格外の数字を叩き出し続けたのが秋元康です。おニャン子クラブのブームからAKB48グループの大ブレイク、そして乃木坂46をはじめとする坂道シリーズのプロデュースに至るまで、CDセールス、ストリーミング再生、著作権印税、プロデュースフィーが天文学的な数字で積み上がりました。過去の公示記録でも作家・作詞家部門で首位を独占し、推定資産は数百億円規模と目されています。単なるタレントの出演料とは異なり、権利ビジネスを握るクリエイターがいかに強大な収益を生み出すかを証明しました。

一方、芸人のギャラ事情においては、ビートたけし、明石家さんま、タモリの「お笑いビッグ3」や、志村けん、とんねるず、ダウンタウンが長者番付の常連として上位を占めました。吉本興業などの所属タレントは「取り分が少ない」とネタにしつつも、トップクラスになれば冠番組1本の出演料が数百万円単位に跳ね上がり、CM契約金も含めて数億円の納税を行っていたのが実態です。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。