「名古屋のみそかつは甘くてドロドロしていて、途中で胃もたれしそう」という先入観を抱く人は少なくありません。しかし、一口運んだ瞬間にその固定観念は心地よく打ち砕かれます。矢場とん 王道メニュー 理由の核心は、門外不出の「さらさらとした秘伝みそだれ」に隠されています。
矢場とん 名古屋名物 歴史を紐解くと、その原点は終戦直後の混乱期、昭和22年にまで遡ります。創業者である鈴木幸夫氏が、屋台で客が「どて鍋(もつ煮込み)」の煮汁に揚げたての串かつを浸して食べていた光景を目撃し、「これは間違いなく旨い」と直感したことがみそかつ誕生の引き金となりました。そこから試行錯誤を重ね、豚肉の旨味を殺さず、衣のサクサク感を残す究極のたれが完成したのです。
矢場とんのみそだれは、1年半熟成させた天然醸造の豆味噌(八丁味噌の系譜)をベースに、厳選した豚ガラから丁寧に取った出汁を合わせ、職人の手で毎日継ぎ足しながら仕込まれています。一般的な市販のみそだれのように水飴や片栗粉で不自然なとろみをつけていないため、液状に近いサラリとした質感です。目の前で店員が大きな急須から豪快にかけるスタイルは、熱いみそだれを一瞬で衣の隙間へ染み渡らせ、豚肉の脂の甘みと豆味噌特有のキレのある酸味・渋みを完璧に融合させるための必然的な演出なのです。