甲子園には「魔物」が住むと言われる。どれほど鍛え上げた強豪校であっても、たった一つの失策や目に見えない雰囲気が原因で崩れ去ることがある。特に横浜と沖縄尚学のような実力拮抗の対戦では、スタンドの応援が作り出す空気が試合展開を大きく左右する。
横浜の伝統的な応援歌が奏でる重厚なリズムと、沖縄尚学が奏でる指笛とハイサイおじさんの陽気かつ独特の圧迫感を持つ旋風。アルプススタンドからグラウンドへと注がれる万単位の歓声が、球児たちの背中を押すのか、あるいは重圧となってのしかかるのか。スタンドを含めた球場全体の熱量こそが、決戦の行方を握っている。