ネット上の健康情報や口コミには、足の親指の痛みに関して極めて危険な思い込みや誤解が蔓延しています。取材を通じて明らかになった代表的な2つの盲点を是正します。
第1の誤解は、「健康診断で尿酸値が正常だったから痛風ではない」という思い込みです。日本痛風・尿酸核酸学会の治療ガイドラインでも指摘されている通り、痛風発作が起きている最中は、体内の尿酸が関節内に大量に結晶として析出するため、血中の尿酸値が一時的に1.0〜2.0mg/dL程度急激に下がることが多々あります。つまり、「採血結果が正常値(6.5mg/dLなど)であっても痛風である」というケースは臨床現場で日常的に遭遇します。数値の瞬間風速だけで痛風を除外することは致命的な誤診につながります。
第2の誤解は、「痛い部分をマッサージして揉みほぐせば血流が良くなって治る」という民間療法です。関節軟骨の摩耗や骨棘、あるいは痛風による滑膜炎が起きている部位を外から強く揉む行為は、火に油を注ぐようなものです。炎症組織を物理的に押し潰し、微小な骨折や毛細血管の断裂を招いて腫れを倍増させるリスクがあります。関節の局所痛に対して「揉んで治す」という発想は即座に捨てなければなりません。