アルカリ性飲料がもたらす最大の利点は、消化器官への負担軽減と効率的な水分補給にある。厚生労働省が管理医療機器として承認している整水器から生成されるアルカリイオン水は、胃酸過多の抑制や胃腸症状の改善に有効であることが医学的に実証されている。激しい運動後のアシドーシス(体内の酸性化傾向)を素早く中和し、運動パフォーマンスの低下を防ぐ効果も複数の臨床試験で報告されている。
しかし、飲み方を誤れば健康被害を招く「落とし穴」が存在する。最も危険なのが、食事中や食直前の過度な摂取だ。胃の中は強力な強酸性(pH 1〜2)に保たれることで、食べたタンパク質を分解し、外部から侵入した細菌を殺菌している。食事中にアルカリ飲料をがぶ飲みすると胃酸が薄まり、消化不良や腸内環境の悪化を引き起こす。さらに、医薬品をアルカリ水で飲むと薬の溶出速度や吸収率が変化し、予期せぬ副作用を招く恐れがある。また、手軽さから重曹水(炭酸水素ナトリウム)を過剰に自作して飲む人が増えているが、これは深刻なナトリウム過剰摂取につながるため注意が必要だ。