かつて奥の院に存在していた碑文には、彼が終生愛した舞台や所属タレントたちの名前、そしてプロデュースを手がけた代表作である「映画 少年たち」への思いすら感じさせる刻印が施されていた。ファンや関係者にとっては、ある種の「聖地」として静かに認知されていた場所である。
しかし、海外メディアの告発に端を発し、NHKや国内外の報道陣が相次いで取り上げた性加害疑惑は、この静かな参道にまで波紋を広げた。参拝客からの問い合わせや批判の声が相次ぐ中、管理者側も静観を続けることはできなかった。顕彰碑の取り壊しは、単なる建造物の撤去にとどまらず、昭和から平成にかけて構築されたアイドル帝国の痕跡が公的空間から抹消されるプロセスでもあった。