ファンの間で今なお囁かれるもうひとつの噂が、鶴久政治と高杢の関係です。告白本が出版された直後やクロベエのお別れの会では、フミヤら主流派に対して「高杢・鶴久連合」として共闘しているかのように見えた時期もありました。
しかし、実際には2人の関係も一枚岩ではありませんでした。鶴久は作曲家・プロデューサーとして芸能界で活動を続ける立場上、業界内での全面衝突を望んでおらず、高杢の過激な告白本に対しても事前に知らされていなかったとされています。鶴久自身は後に「自分はどちらの味方でもない、音楽を作りたいだけだった」というスタンスを明言しており、高杢と特別に行動を共にしているわけではありません。現在では互いに敬意を払いながらも、私生活や仕事で頻繁に連絡を取り合うような関係性ではないのが実情です。
では、往年のファンが淡い期待を寄せるチェッカーズ再結成の可能性は残されているのでしょうか。結論から言えば、その可能性は「限りなくゼロ」と断定せざるを得ません。
その最大の理由は、感情の亀裂だけでなく、「ドラムのクロベエ(徳永さん)を失った」という決定的な事実にあります。リーダーの武内享をはじめ、フミヤら残されたメンバーは一貫して「チェッカーズはあの7人揃ってこそのもの」という強い矜持を持っています。リズムの要であり、メンバーの精神的クッションだった彼を欠いた状態で、形式的な看板だけを復活させる気は毛頭ないのです。
加えて、藤井フミヤと高杢の間には、対話による修復の機会すら訪れないまま数十年が経過しました。互いにそれぞれの生活基盤を築き、60代を迎えた今、過去のわだかまりをあえて掘り起こしてまで再集結する動機は、誰の側にも見当たらないのが偽らざる真実です。