かつて台風といえば、九州や四国に上陸した後に勢力を落とし、関東に届く頃には温帯低気圧に変わるのが典型的なパターンだった。しかし、近年の海洋熱容量の増大はその常識を完全に覆した。日本近海の海水温が30度近くまで跳ね上がっているため、台風は勢力を維持するどころか、関東直前でさらに発達することすらある。
房総半島は、太平洋に向かって突き出た独特の地形を持つ。これが南からの暖かく湿った空気をストレートに受け止める「巨大な防波堤」の役割を果たしてしまう。結果として、暴風域が勢力を保ったまま直撃しやすく、風速50メートルを超える強風がダイレクトに陸地を叩く構図が形成されるのだ。