事態が急変したのは2021年3月23日のことでした。激しい体調不良を訴えた志尊淳は都内の医療機関を受診し、精密検査の結果「急性心筋炎(心膜炎)」と診断され、即座に入院治療が開始されました。所属事務所(当時)による公式発表資料によると、一時は集中治療室(ICU)での厳重な管理下に置かれるほどの深刻な病状であったことが明かされています。
急性心筋炎とは、主にウイルス感染などを契機として心臓の筋肉(心筋)に急激な炎症が生じる疾患です。心臓のポンプ機能が著しく低下し、重症例では不整脈や心原性ショック、多臓器不全を引き起こす極めて危険な病態として知られています。風邪に似た初期症状から急速に悪化するケースが多く、若年層であっても予断を許さない難病です。
本人が後に出演したドキュメンタリー番組や回顧インタビューで明かした証言によると、発症当夜は「胸を引き裂かれるような激痛と呼吸困難」に襲われ、自力で歩くことすら困難な状態だったといいます。担当医師からは「搬送があと数時間遅れていたら心停止に至っていた可能性があった」と告げられるほど、まさに一分一秒を争う緊迫した状況でした。