勤労の義務と並び、ネット上で頻繁に投下されるのが「専業主婦は税金を払っていないから納税の義務 専業主婦違反だ」というロジックです。これもまた、租税の仕組みに対する致命的な誤認をはらんでいます。
税金は所得税や住民税などの直接税だけではありません。日々の食料品や消耗品を購入するたびに消費税を負担していますし、固定資産税や自動車税などの間接的・直接的保有税も世帯資産から支出されています。夫が稼ぎ出した給与所得は、妻による無償の家事・生活支援があって初めて円滑に維持されている側面があり、法学・税法上も「夫婦が共同して築いた所得」と捉えるのが一般的です。
「所得税の納入者名義が夫だから妻は非納税者だ」とする論理は、専業主婦家庭の生活実態を捉えていません。世帯単位で見た場合、同水準の世帯年収を稼ぐ共働き家庭と比較して、専業主婦世帯のほうが所得税の累進課税や各種控除制限によって手取り額が低くなる逆転現象(累進税率の壁)も存在し、一概に「専業主婦世帯だけが得をしている」とは言えない構造が存在します。