新潟市西蒲区にあった「アクアパークにいがた」の現在について、現地取材および新潟市の公式資料を確認すると、施設は2022年(令和4年)3月31日をもって完全に閉館しており、建物の利活用や再稼働に向けた具体的な動きはありません。2026年現在も敷地への立ち入りは制限されており、往時の賑わいは静寂へと変わっています。
地域住民から愛されていた同施設がなぜ廃止という苦渋の決断に至ったのか。その背景には、単なる利用者数の増減にとどまらない、自治体インフラ特有の構造的要因が存在していました。
最大の決定打となったのは、隣接する「新潟市新津クリーンセンター」等のごみ焼却余熱供給体制の再編です。アクアパークにいがたは、焼却炉から発生する熱エネルギーを利用して温水プールや温浴施設を低コストで維持する「余熱利用施設」として整備されました。しかし、焼却施設の更新時期に伴う熱源供給の見直し、さらには開館から年月が経過したことによるプール躯体や配管設備の著しい老朽化が重なりました。
新潟市が算出した大規模改修コストは十数億円規模にのぼり、少子高齢化が進む中での維持管理費の増大、市全体の公共施設マネジメント計画(総量削減方針)に照らし合わせた結果、公費を投じての延命は困難と判断され、廃止が決定されました。