「三相=業務用の動力だから電気代が安くなる」という言説を鵜呑みにするのは極めて危険だ。経済産業省 資源エネルギー庁が管轄する電気料金制度において、家庭向けの「従量電灯(単相)」と業務用機器向けの「低圧電力 (動力プラン)(三相)」では、料金の課金構造が根本から異なる。
低圧電力は従量料金(1kWhあたりの単価)が従量電灯よりも割安に設定されている。しかし、その代償として毎月確実に発生する「基本料金」が極めて高い。夏場や冬場しか稼働しない業務用エアコンや、月に数回しか動かさないリフトのために三相を契約していると、使っていない月の基本料金だけで年間の電力コストが跳ね上がる。
電気事業連合会が公表する負荷率データを見ても、稼働率が低い設備に低圧電力を割り当てるのはコスト悪化の元凶となりやすい。年間を通じた稼働時間と消費電力量を厳密に試算し、単相200V機器で従量電灯にまとめるべきか、三相200Vで低圧電力を引くべきか。損得の分岐点は稼働時間にある。