本場・千とせを訪れる客の実に8割以上が注文するのが、肉吸い卵かけご飯セット(通称「小玉(こたま)」=卵かけご飯小サイズとの組み合わせ)です。なぜこの組み合わせがこれほど熱狂的に支持されているのでしょうか。
秘密は、卵かけご飯用の醤油と、肉吸いの出汁が織りなす「味覚のリフレッシュと循環」にあります。濃厚な卵黄と醤油をまとった温かい白米を頬張り、そこへ牛肉の旨味が溶け込んだ熱々の鰹出汁を流し込む。このループが食欲を刺激し続けます。また、肉吸いの中に半熟の温泉卵や生卵を落とし、崩した黄身に牛肉を絡めて食べるという、すき焼きのような贅沢な楽しみ方も定番化しています。
一方で、気になるのが健康面での数値です。栄養成分分析データをもとに、肉吸いカロリー糖質のリアルな数値を検証してみましょう。
通常の肉うどん(1杯)の場合、うどん玉(1玉約200g〜250g)が含まれるため、カロリーは約480〜550kcal、糖質は約55〜65gに達します。しかし、うどんを抜いた「肉吸い(豆腐1/2丁入り・1人前)」の場合、カロリーは約280〜340kcal、糖質はわずか3.5〜5.0g程度にまで激減します。
これは、現代の糖質制限(ロカボ)やケトジェニックダイエットを実践している層にとって、驚異的な数値です。炭水化物を極限まで抑えながら、牛肉から良質な動物性タンパク質と鉄分、豆腐から植物性タンパク質とイソフラボンを同時に摂取できるため、夜遅い時間の夜食や、体脂肪を落としたい時期のメインディッシュとして、これ以上ないほど合理的な栄養設計となっていることが分かります。