結論から言えば、お弁当にキャベツを生で入れるのは危険という指摘は衛生管理の観点から理にかなっています。特に気温が上昇する季節や湿度の高い梅雨時、暖房が効いた室内環境では、わずかな油断が重大な食中毒事故につながりかねません。
最大の原因は、キャベツ自体の高い水分含有量と組織の構造にあります。ドレッシングやマヨネーズなどの調味料に含まれる塩分に触れると、浸透圧の働きによって内部から大量の水分が外へ滲み出します。この滲み出た水分(離水)に食材の栄養分が溶け出し、常温下で放置されることで黄色ブドウ球菌やセレウス菌などの細菌が一気に増殖してしまうのです。
さらに、生野菜の表面には土壌由来の微生物が付着している可能性をゼロにはできません。自宅でどれほど丁寧に洗ったとしても、殺菌処理が施されていない状態での常温保管は避けるのが賢明です。お弁当のおかずとして活用する際は、「十分な中心加熱」または「浸透圧を利用した完全脱水」を前提とした調理設計が不可欠となります。