インターネットの掲示板やSNSでは、「どうしても公務員になりたいが、学力に自信がない」という受験生に向けて、いわゆる受かりやすい公務員や穴場職種が頻繁に取り沙汰されます。実際の試験倍率と職務環境を照らし合わせると、確かに合格確率を高めやすい職種は実在します。
代表的な例が国立大学法人等職員と国税専門官です。国立大学法人は教養試験のみで受験可能であり、倍率も4〜5倍程度と標準的です。教育研究の支援という明確な業務内容があり、転居を伴う全国転勤が少ない点から、堅実なキャリアを望む層に支持されています。
また、国税専門官は専門試験が課されるものの、採用人数が例年千数百名規模と極めて多く、筆記ボーダーラインが低めに設定される傾向があります。「簿記や会計学を避ける受験生が多い」という心理的障壁があるため、数字に抵抗がない受験生にとっては最大の狙い目となります。
一方、中途採用市場において注目度が急上昇している社会人経験者採用における公務員の難易度は、新卒枠をはるかに上回る激戦区です。
総務省が公表した自治体の中途採用状況データによると、社会人経験者枠の平均倍率は10倍〜20倍以上に達する自治体も珍しくありません。この枠で合格を勝ち取る人物像は、民間企業での顕著なプロジェクト管理実績や、自治体が直面する課題(DX推進、脱炭素、公民連携)に直結する専門スキルを持つ人材に限定されます。「民間が辛いから公務員に逃げたい」という動機の応募者は、職務経歴書と最初の個別面接の段階で確実にスクリーニングされます。