パンケーキの歴史と発祥国を遡ると、その起源は古代ギリシャや古代ローマ時代にまで到達します。当時は平らな石の上で小麦粉と水、蜂蜜を混ぜて焼いた原始的な粉ものが食されており、これが宗教行事(断食前の告解の火曜日に油脂や卵を使い切る習慣)と結びついてヨーロッパ全土へ普及しました。
一方、日本におけるホットケーキ誕生の経緯は、明治から大正にかけての近代洋食化の波と直結しています。1923年(大正12年)、東京・日本橋の三越百貨店の食堂において「ハットケーキ」という名称で提供されたのが国内初の記録とされています。当時は帽子の「ハット(Hat)」を想起させる形状からその名が付けられたと伝えられており、ハイカラな高級洋菓子として上流階級やモダンボーイ・モダンガールの間で話題を集めました。
その後、1931年に帝国ホテルが本格的な「パンケーキ」をメニューに載せ、1957年には森永製菓が家庭向けに「森永ホットケーキの素」を発売。戦後日本の高度経済成長期とともに「日曜日の朝に家族で作る温かいおやつ」という文化的アイコンとして、ホットケーキは日本人の国民食へと昇華しました。