日本酒史において、地方の一酒蔵が世界の首脳たちを瞠目させた決定的な出来事といえば、2008年7月開催の北海道洞爺湖サミットです。各国のトップが集う総理大臣公邸での夕食会において、乾杯酒に抜擢されたのが「磯自慢 中取り純米大吟醸35」でした。
当時、日本酒業界には「乾杯といえばシャンパーニュ」という固定観念が色濃く残っていました。その慣例を打ち破り、日本の食文化と技術の粋を世界へ誇るシンボルとして白羽の矢が立ったのが磯自慢でした。関係者の証言によると、グラスに注がれた瞬間に広がるメロンや白桃を思わせる華やかな吟醸香、そして口に含んだ瞬間の圧倒的な透明感とキレの良さに、各国の首脳陣から驚嘆の声が上がったと記録されています。
この歴史的快挙は国内外のメディアで大きく報道され、「世界基準の美酒」としての地位を不動のものとしました。以降、国内の愛飲家のみならず、世界各国のトップソムリエや高級レストランからのオファーが殺到することとなり、慢性的な品薄状態へ突入する決定打となったのです。