日常的なバッテリー節約術として広く知られている手法の中には、技術的に誤っているものや、デメリットがメリットを上回ってしまうケースが多々存在します。
代表例が「マルチタスク画面でアプリを毎回上にスワイプして完全終了させる」という行為です。iOSの設計上、バックグラウンドにあるアプリはメモリ上で一時停止状態(フリーズ状態)になっており、電力をほぼ消費していません。むしろ、頻繁に使うアプリを強制終了してしまうと、次に起動する際にストレージからデータを読み直すため、余計にプロセッサとバッテリーを消費してしまいます。フリーズしたアプリを立ち上げ直す場合を除き、手動終了を繰り返す必要はありません。
また、電力消費を極限まで抑える「低電力モード」の常用にも注意が必要です。低電力モードのデメリットとして、画面のプロモーション機能(最大120Hz駆動)が無効化されて60Hzに制限されるほか、5G通信の一部制限、メールの自動受信停止、AirDropやiCloud写真同期の停止などが挙げられます。外出先でバッテリー残量が20%を切った際の非常用手段としては極めて優秀ですが、常時オンにしておくと端末本来の処理性能や通信機能が大きくスポイルされる点には留意してください。
【プロの結論】バッテリー交換すべき人・機種変更を検討すべき人の判断基準
充電の持ちに不満を感じた際、「バッテリーだけを有償交換して延命すべきか」「いっそ本体ごと最新機種に買い替えるべきか」の分岐点はどこにあるのでしょうか。判断の基準となる条件を整理しました。
【バッテリー交換を選んだ方がよい人】
- 現在使用している端末に目立った傷や不具合がなく、動作スピードにも満足している
- iOSの最新セキュリティアップデートの対象期間内である(発売から4年以内目安)
- 出費を1万円〜2万円前後の最小限に抑えて、あと1〜2年間快適に使いたい
【本体の機種変更を検討すべき人】
- 端末の発売から4〜5年以上が経過し、近い将来に最新iOSのサポート対象外になる
- 充電の減りだけでなく、ストレージ容量の逼迫やアプリの起動遅延が日常化している
- 画面割れやカメラの不具合など、バッテリー以外の物理的破損を併発している