日本国内で連日メディアを賑わせる2大競技について、世界規模の実態を冷徹に検証する必要があります。まずサッカー競技人口世界ランキングを眺めると、プレイ人口としては約2億7,000万人から3億人規模と推計され、全体の4位にとどまります。
ただし、FIFAワールドカップの累計視聴者数が50億人を超えることからも明らかなように、メジャースポーツ世界人気ランキングにおける「ファン人口(観戦者数)」では、サッカーは約35億人を誇る圧倒的地球No.1です。なぜプレイヤー数がファン数に比べて控えめに出るのかといえば、公式な11人制フルピッチのサッカーを行うには広大な天然芝・人工芝グラウンドと厳格な審判、22人のプレイヤーが必要であり、年齢を重ねるとフルコートで走り続けることが体力的に困難になるためです。つまり、「観る対象」としては至高でありながら、「日常的にフルタイムで続けるプレイヤー」の比率は大人になるほど絞り込まれる構造があります。
さらにシビアな現実を突きつけられるのが、野球世界競技人口順位の真相です。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での侍ジャパンの劇的な優勝劇に日本中が沸き立ち、国内では国民的スポーツの座を維持していますが、世界的な競技人口は約6,500万人前後と推計され、トップ5の背中は遥か遠くに霞んでいます。
最大の要因は、世界200以上の国と地域のうち、野球がプロスポーツとして成立している国が日本、アメリカ、韓国、台湾、ドミニカ共和国など10数カ国に限定されている点です。欧州、アフリカ、中東、南アジアでは、一般市民が野球のルールすら知らないケースが大半を占めます。後述する「道具代の高騰」と「専用球場の確保難」が、野球の世界的拡張を阻む決定的な足枷となっているのです。