メルカリを使い始めた初心者が最も困惑するのが、商品タイトルや説明欄に躍る謎の専門用語です。「即購入禁止」「購入前コメント必須」「プロフ必読」「〇〇様専用」。これらはすべて、メルカリ公式の利用規約には存在しないユーザー間の勝手な取り決め、いわゆる「独自ルール」に他なりません。
なぜ公式規約にないローカルルールがこれほど蔓延しているのでしょうか。取材に応じてくれた都内在住・取引実績3,000件超のベテラン出品者は、その裏事情を次のように明かします。
「他フリマアプリとの同時出品(無在庫リスク回避)をしている出品者や、購入者の評価一覧を事前に見てトラブルを起こしそうな相手をブロックしたい出品者が、自己防衛のために『即購入禁止』と書いているのが実情です」
メルカリの公式利用規約第9条では、最初に出品手続きを完了した商品を購入する権利は「最初に購入ボタンを押した者」にあると明記されています。したがって、規約上は即購入禁止独自ルールの真相を知っていようがいまいが、誰でも即座に購入して構いません。しかし、問題はその後に待ち受ける感情の衝突です。
独自ルールを強く主張する出品者から購入した場合、取引メッセージで「説明文を読まない非常識な購入者」と罵倒されたり、商品に問題がなくても理不尽な低評価をつけられたりするリスクが跳ね上がります。規約違反を通告して事務局に是正を求めることは可能ですが、届いた商品に嫌がらせの細工をされる懸念を考慮すれば、最初からそうした排他的な出品者からは購入しないのが最大の防衛策といえます。
また、価格交渉の末に用意される「専用出品」において、別の第三者が先に購入してしまう専用出品横取りの対応も紛糾しやすい火種です。事務局の公式見解は「横取りした購入者との取引を進めてください」というものですが、出品者が激怒して取引を拒否するケースも少なくありません。横取りに気づいた出品者が発送通知を押さず放置した場合、双方が消耗戦に突入するため、専用出品への割り込み購入は規約上合法であっても避けるのが賢明な判断です。