「紅はるかとシルクスイートは一体どちらが美味しいのか」という問いに対する結論は、「どのような甘みと口どけを求めているか」によって明確に分かれます。
紅はるかの真骨頂は、加熱することでデンプンが分解されて生成される麦芽糖の圧倒的な濃厚さにあります。皮の隙間から蜜が滲み出し、スプーンですくうと糸を引くような粘度を持つそのテクスチャーは、焼き芋の概念を超えて「芋羊羹」や「スイートポテト」を想起させます。一口食べた瞬間にガツンと響く強い甘さを好む層から絶大な支持を得ています。
対するシルクスイートは、「春こがね」と「すずほっくり」を交配して生まれた品種です。最大の強みは、品種名通り絹(シルク)のようにキメ細やかな舌触りにあります。筋っぽさがほとんど存在せず、口に入れた瞬間にスッと溶けていくような水分と油分のバランスの良さを持っています。甘さ自体もくどさがなく、カスタードクリームのようにエレガントで後味がすっきりしている点が特徴です。
また、従来の蜜芋の代名詞であった「安納芋」と比較すると、安納芋特有の粘土質な重さや独特のカロテン臭に対し、紅はるかは癖のないストレートな甘み、シルクスイートは圧倒的な喉ごしの良さを誇ります。この両者の登場によって、日本のさつまいもシーンは大きく塗り替えられました。