日本の自主規制が年々強化されている背景には、WHO(世界保健機関)が推進する「アルコール世界戦略」の存在があります。WHOは、アルコールによる健康被害や社会的損失を削減するため、加盟国に対して「酒類広告の規制強化」「価格引き上げ(酒税増税)」「入手経路の制限」の3本柱を強く推奨してきました。
海外に目を向けると、日本の規制ですら緩やかと見なされるケースが少なくありません。例えばフランスでは「エヴァン法」によって、テレビや映画館での酒類CMが全面禁止されており、広告表現も製品の産地や製法など客観的事実に厳しく限定されています。北欧諸国(ノルウェーやスウェーデンなど)でも、度数の高い酒類の広告はメディアを問わず厳格に遮断されています。
グローバル展開を行う大手飲料メーカーにとって、国際的な健康ガイドラインを無視することはESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも許されません。海外基準との平仄を合わせる動きが、国内のCM演出を劇的に変える原動力となっています。