薬剤師であり調香師でもあるパオロ・ヴラニエス氏によって1983年に創設されたドットール・ヴラニエス。数あるルームフレグランス高級ブランドのなかでも、なぜこのブランドだけが唯一無二の存在として語り継がれるのでしょうか。取材を通じて浮き彫りになったのは、単なる「芳香剤」の枠を完全に超越した、緻密な空間芸術としての哲学です。
最大の特徴は、最高品質のエッセンシャルオイルを高濃度(約10〜15%以上)で使用し、フィレンツェの工房で職人が一本ずつ手作業でボトリングを行っている点にあります。一般的なディフューザーにありがちなアルコール特有のツンとした刺激臭を極限まで抑え、トップノートからミドル、ラストノートへと香水のように時間の経過とともに表情を変える多層的なグラデーションを実現しています。
さらに、日本のトップタレントや実業家、モデルをはじめとする芸能人の愛用がSNSやメディアを通じて広まったことも人気を後押ししました。プライベートな空間を格上げする「見せるインテリア」として、リビングルームはもちろん、エントランスやウォークインクローゼットに鎮座するその佇まいは、所有者の美意識を雄弁に物語るアイコンとなっています。