「美容院」と「美容室」の間に法的な差はないが、一般消費者が最も混同しやすいのが「美容室」と「理容室」の違いだ。ここには明確かつ厳格な法律の壁が存在する。
美容室(美容院)の根拠法が美容師法であるのに対し、理容室(床屋・バーバー)は「理容師法」という別の法律によって管轄されている。両者の決定的な差異は、その目的にある。法的な定義を要約すると以下のようになる。
・美容師法:パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を「美しくする」こと
・理容師法:頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を「整える」こと
最も分かりやすい実務上の違いは「顔剃り(シェービング)」だ。一枚刃のカミソリを使って顔全体の産毛やヒゲを剃る行為は、原則として理容師のみに許された独占業務である。美容師が行えるシェービングは、眉毛の形を整える程度やメイクの仕上げに伴う軽微な施術に限定されている。近年は両方の国家資格を取得するダブルライセンスの技術者や、同一店舗内に両方の認可ブースを設けるハイブリッド型サロンも増えているが、制度としての境界線は今なお明確に維持されている。