目の前いっぱいに広がる瑠璃色の世界。視界を遮る人工物がほとんどなく、頭上に広がる青空、太平洋の水平線、そして大地を覆うネモフィラが三位一体となって視界を青一色に染め上げます。この圧倒的な没入感こそが、人々が息を呑み、カメラを構えずにいられない最大の理由です。
しかし、この美しい丘がかつてどのような場所であったかを知る人は多くありません。みはらしの丘を含む一帯は、第二次世界大戦前には旧陸軍の水戸飛行場、戦後は米軍の水戸対地射爆場として使われていた軍用地でした。長年にわたる地域住民の熱心な返還運動が実を結び、1973年に国へ返還された歴史的経緯を持っています。
その後、「平和と自然の再生」を象徴する国営公園としての整備が進められました。公園造成時に発生した残土などを積み上げて人工的に造られたのが、標高58メートル(ひたちなか市最高峰)を誇る現在のみはらしの丘です。かつて硝煙が漂っていた大地が、今や約530万本もの生命が咲き誇る世界屈指の花の名所へと生まれ変わったストーリーそのものが、訪れる人々に深い感動を与えています。