原作である石崎洋司の小説は、チョコの独白やシュールなブラックユーモア、そして挿絵を手がける藤田香のイラストが絶妙に噛み合ったテキスト文化の良さがあった。一方で、藤田まぐろが手がけたコミカライズ版は、視覚的な表情の豊かさと少女漫画ならではの華やかなテンポ感が前面に押し出されている。
小説では文章でじっくり描写されていた魔界の奇妙な道具や呪文の演出が、コマ割りによってアクロバティックに表現された。また、チョコとギュービッドの掛け合いにおけるギャグの間(ま)や表情の崩し方は、漫画版だからこそ表現できた魅力だ。原作の雰囲気を壊すことなく、低学年層から大人までスラスラと読める視覚的アプローチに変換された点が、今なお語り継がれる理由といえる。