日本の法曹ドラマを語る上で、木村拓哉が主演を務めた『HERO』の功績を外すことはできない。主人公の久利生公平は検事だが、スーツを着ないジーパン姿で現場を歩き回り、既存の権威主義を鮮やかに吹き飛ばした。この「常識を疑うアウトサイダー」という造形は、その後のあらゆる法曹ドラマの主人公たちに決定的な影響を与えた。
一方で、都会的でスタイリッシュな法廷劇の魅力を確立したのが『SUITS/スーツ』だ。米国のメガヒットドラマを原作に持つ本作は、高級スーツに身を包んだ敏腕弁護士たちの知略戦と、大手法律事務所内の権力闘争をスピーディーに描き出した。泥臭い現場検証とは対照的な、スマートな駆け引きと洗練されたビジュアルは、ジャンルに新たな息吹を吹き込んだ。