ネット検索で「淡路島 海上ホテル」と入力すると、サジェストに「閉業」「廃墟」「跡地」といった不穏なキーワードが並びます。昭和の団体旅行ブームを支えた沿岸部の宿泊施設は、時代の移り変わりとともにどのような道を辿ったのか、現地取材データや登記関連情報を基に現状を整理します。
福良湾の入江に面した「淡路島海上ホテル」は、目の前の海を借景にした客室や専用桟橋から直接糸を垂らせる「釣りパック」でファミリー層や太公望から絶大な支持を集めていました。しかし、近年における旅行需要の個人化や施設の老朽化、さらに後継者問題などが重なり、営業形態の変更や一時休業、再編の波に直面することとなりました。
ここで多くのユーザーが混乱しているのが、近隣に実在した「国民宿舎 南淡路海上ロッジ」との混同です。海上に浮かぶメガフロート構造で全国的にも珍しかった海上ロッジは、老朽化と耐震基準の問題から2017年に営業を終了し、その後の解体・撤去費用をめぐって自治体で大きな議論を呼びました。このニュースの残像が「淡路島の海の上に立つホテル=すべて廃墟化した」という誤解を急速に拡散させた背景があります。