都市名がそのまま苗字になったケースとして最もミステリアスなのが、苗字「東京」の実在人数と読み方です。日本の苗字研究家や公的記録調査によると、「東京」姓は実在しており、全国における推定人数はわずか約10〜20人(およそ3〜5世帯)という超極小の希少姓です。
「東京」と書いてどう読むのか。調査によると、以下の読み方が確認されています。
- とうきょう(Tōkyō):最も直観的な読み方。明治期以降に戸籍登録された例に見られる。
- とうけい(Tōkei):明治初期、「東京」を漢音風に「とうけい」と呼称していた時代の名残。
- ひがしぎょう(Higashigyō):京都から見て東の京、あるいは仏教寺院の院号・坊号に由来する古風な読み。
- あり(Ari):極めて特殊な名乗り訓による希少な読み。
なぜ「東京」という苗字が生まれたのか、その珍名・希少姓の由来と経緯には主に2つの有力な説があります。
1つは「明治維新・改名令由来説」です。1875年(明治8年)の平民苗字必称義務令の際、江戸から東京へと改名された新首都の誕生に感銘を受けた商人や開明派の人物が、誇りを持って「東京」を家名として届け出たという経緯です。事実、鹿児島県や富山県など、旧薩摩藩領や地方から上京・移住した家系に散見されます。
もう1つは「地名・屋号転化説」です。地方において「東京屋」などの屋号で手広く交易を行っていた豪商が、苗字必称にあたって屋号から取って名乗ったケースです。名字検索東京の世帯数データを突き合わせても、現在の都内に「東京」姓の世帯は確認が難しく、地方に点在している点がこのルーツの深さを物語っています。