東京の街を歩く際、天気予報の数字だけを信じて出かけると「思っていた体感温度と違う」というズレが生じがちです。その背景には、大都市ならではの3つの環境要因が存在します。
1つ目は、地下鉄や屋内施設における極端な温度差です。冬場は外気温が5℃前後であっても、満員電車内やデパートの中は暖房と人いきれで25℃近くまで上昇することが珍しくありません。厚手のセーター1枚で防寒してしまうと、室内で汗をかき、外に出た瞬間にその汗が冷えて急激な体温低下を招きます。
2つ目は、超高層ビル街特有の吹き降ろし風(ビル風)です。新宿、丸の内、渋谷などのオフィス街では、上空の強い風がビルにぶつかって地上へ吹き降ろします。風速が1m/s増すごとに体感温度は約1℃下がるとされており、気温が10℃あっても強風によって体感は5℃以下まで冷え込みます。
3つ目は、コンクリートやアスファルトによる蓄熱と照り返しです。夏場はヒートアイランド現象により、夜になっても気温が下がりにくく、熱気が足元から立ち上ります。都内での服装選びを成功させる鍵は、数値上の気温ではなく、風速や屋内移動を含めた「体感温度」を予測して柔軟に調整できる準備を整える点にあります。