梅酢がしっかり上がった後は、好みに応じて伝統的な「赤紫蘇漬け」や甘みのある「はちみつ梅」へと展開できます。
鮮やかな紅色の梅干しを目指すなら、梅の重量に対して10%〜20%の赤紫蘇を用意します。赤紫蘇は葉のみを摘み取り、水洗いして完全に水気を切った後、紫蘇の重量に対して20%の塩を用意して「2回に分けてアク抜き」を行います。まず半量の塩で強く揉み、濁った黒いアク汁を固く絞って捨てます。残りの塩を加えて再び強く揉み、再度アク汁を絞り出します。この絞った赤紫蘇に、梅から上がった白梅酢を少量回しかけると、アントシアニン色素が酸に反応して一瞬で鮮やかな赤紫色に発色します。これをもみ紫蘇として梅の上に広げて漬け込みます。
一方、フルーティーでまろやかな「はちみつ梅」を安全に作りたい場合は、最初から蜂蜜を入れて漬けると浸透圧の差で梅酢が上がりにくく発酵しやすいため、「塩分18%で完成した白干し梅を塩抜きしてから、蜂蜜・みりん・リンゴ酢を合わせた調味液に冷蔵庫で数日漬け込む」という二段階プロセスを踏むのが最も衛生的で確実です。
また、副産物として得られる「梅酢(白梅酢・赤梅酢)」は、クエン酸と天然塩分が凝縮した万能調味料です。ドレッシングや浅漬けのベース、唐揚げの下味、おにぎりを握る際の手水として活用でき、夏の熱中症対策にも重宝します。