ハーブ専門店や園芸相談窓口に寄せられるトラブル事例を分析すると、ローズマリーの挿し木における失敗理由は驚くほど共通しています。最も多いのが「挿し穂(切った枝)の選び方の間違い」です。茶色く硬くなった古い木質化部分や、逆に柔らかすぎる先端の新芽を使うと、カルス(細胞塊)の形成が進まず、発根に至る前に組織が壊死します。
第2の要因は「土中の雑菌と過度な肥料」です。親株を育てる感覚で栄養豊富な培養土に挿してしまうと、傷口から雑菌が侵入して腐敗を引き起こします。挿し木期間中の切り口は、いわば植物にとっての生傷です。清潔な無菌用土を使用しなければ、活着の確率は著しく低下します。
第3の要因は「水管理と蒸散のアンバランス」です。根がない状態の挿し穂は、葉から水分が蒸発し続けるとあっという間に水切れを起こします。良かれと思って葉を大量に残したまま強い直射日光に当てたり、逆に水を過剰に与えて酸素不足に陥らせたりするケースが失敗の典型パターンです。