医療機関の情報収集において、ネットの評価を鵜呑みにすることで生じる「3つの認知バイアス」が存在します。現場の実態と乖離しやすいポイントを整理しました。
第一の誤解は、「外科を標榜しているため、軽度の風邪や内科疾患では受診しづらい」という思い込みです。名前に「外科」と入っていることで、大怪我や手術を連想する方もいますが、実際は高血圧や糖尿病といった生活習慣病の管理からアレルギー疾患まで、プライマリ・ケア全般を網羅しています。むしろ、腹痛を訴えて受診した際に「単なる胃腸炎か、緊急手術が必要な虫垂炎(盲腸)か」をその場で即座に鑑別できるのは、外科の臨床経験を持つクリニックならではの強みです。
第二の誤解は、「予約システムを使えば待ち時間がゼロになる」という過度な期待です。前述の通り、医療は工場のように一定のペースで進むものではありません。急患の処置や、重篤な検査所見が出た患者への丁寧な説明が発生すれば、時間配分は流動的になります。予約システムは「待ち時間を完全になくす魔法のツール」ではなく、「待合室での拘束時間を自宅待機などに振り替えるためのツール」として捉えるのが現実的です。
第三の誤解は、「Googleマップ等の低評価レビュー=医療技術の低さ」と直結させてしまうことです。クリニックの口コミを精査すると、星1つや2つの低評価の多くは「受付の電話対応の冷たさ」「駐車場が見当たらなかった」「混んでいて待たされた」という接遇・システム面の不満に集中しています。医療の本質である診断の正確性や処置の妥当性とは切り離して情報を読み解くリテラシーが求められます。