ネット上のレビューで時折見かける「肉が硬くて噛み切れない」「生焼けではないか」という声には、明確な誤解が存在します。この点を正しく理解していないと、ぢどり屋本来の価値を見誤ることになります。
一般的な外食で提供される若鶏は生後50日前後で出荷されるため、肉質が非常に柔らかいのが特徴です。これに対してぢどり屋で使用される鶏肉は、数百日にわたってじっくり育てられた成鶏や種鶏が主体です。筋肉が極限まで発達しているため、噛む力が必要なのは当然の仕様であり、その強靭な繊維の中にこそ、グルタミン酸やイノシン酸といった濃厚な旨味成分が凝縮されています。「柔らかい=上質」という固定観念を捨て、「噛みしめて味わう大人の肉」として捉えるのが正しいアプローチです。
また、たたきに見られるレア部分についても、徹底した衛生基準と鮮度管理のもとで表面を高温殺菌するプロの火入れが施されています。もちろん体調がすぐれない場合や小さな子ども連れの際はしっかり火を通した焼き物を優先する配慮が必要ですが、正しく管理された鶏肉のたたきは、九州で長年愛されてきた安全で豊かな食文化そのものです。